また採点日

 今日は妻が手伝ってくれたから、だいぶん楽ではあったが。

 7コマ非常勤をしている、と言えば「多いねぇ、本業(研究)大丈夫?」と言われることが多い。でも、他の大学院生だって、なんやかんやとバイトをして生計を立ててるんだろうから、大変だとは思わない。キャリアにもなるんだし。
 ただ、この季節だけは別だなぁ。なんせ、この一週間でのべ500人近い人間の成績をつけねばならないのである(来週から調査に出かけるので、この一週間でやっつけてしまわないと時間がないのだ)。また、成績というのは卒業できる・できないにも大きく関係する。ひいては、その人の人生にも影響しかねない。だから、落第させるときは、責任を持って「貴方には単位を認定できません」と言える根拠が必要なのだ。もちろんいい点数をつけるときにも、責任がいる。
 そういうわけで、回答はちゃんと読むし、出席点を加えて、最終評価にするときにも、変なバイアスがかからないように注意しなければならない。

 普段、敢えて学生の名前は覚えないようにしている。覚えてしまうと、情がわくからだ。しかし、一年間も実習的授業をやっていると、どうしても顔と名前が結びついてしまう。今日も採点しながら、「あぁ、こいつは頑張ったな」とか「あれ、あいつ、こうして計算すると意外と低いな」という感想が出てきてしまう。だからといって、手心を加えるわけにはいかないのだ、と心を鬼にして・・・ギリギリのバランスを狙うのである。

 こういう心理的辛さに加え、成績表を事務に提出するとき、何通にも別れたマークシート式成績票に結果を転記し、一枚一枚に判子をついていく。こういう事務的手続き(イチイチ確認もいるしね)にもプレッシャーをかけられる・・・

 この時期の先生は、結構大変なのである。