生きる

山口大学に33年間おつとめになった大学の先生の,退職記念パーティーが昨日執り行われました。
お昼からホテルニュータナカにて最終講義。170近い卒業生が県内外から参加。
その後少し時間を置いて,祝賀謝恩会。

転職回数が平均1.7回とも言われる大学教員として,ひとところでずっと根を張り続けて教え子を輩出し続けた先生の教育的結果は,たくさんのたくさんの人々が参集した事実が示している。職場として,こういう喜びをもてることはとてもありがたいことだ。あれが人徳というものだ。目に見える形で示されたのだ。

最後のお言葉で,先生は「こんな立派な生前葬をしていただき・・・」と話して笑いを取っておられた。失礼かもしれないが,本当に生前葬だな,と思った。そしてそれが出来ることを,うらやましいと思った。
私はスタッフとして色々やる立場だったけれども,原動力はまぎれもなく,先生の魅力に惹かれてのことだったから。

スタッフとして仕事をしていて,嬉しかったことがある。

ザ・ライト・スタッフ。かつてこのブログでも書いた(ライト・スタッフ – 人のいやがることを進んでする(Part2))けど,パトレイバー,コミックス版(ゆうきまさみ作)の第一話タイトル。明るいスタッフ。軽いスタッフ。正しい資質。

もう7年も前になるのか。素敵な仲間とイベントを作り上げて,無事に終えることが出来たのは。
幸いにして,今度もまた,素敵なスタッフとイベントを作り上げ,無事に終わらせることが出来た。

院生・学生に様々な役割分担,指示を出す係というのは,言い換えれば口ばっかりで手を動かさない人間だ。
一番頑張ったのは,こちらのわがままで理不尽で時間のない中出される指示に,期待以上の答えでもって反応してくれるメンバーであり,今回の会の成功はすべて彼ら彼女らの力による。
そういったメンバーに恵まれ,仕事をすることが出来た喜びは,何物にも代え難い。

社会心理学会大会を運営した時と同じように,ライト・スタッフと仕事ができた人に,環境に,時代に感謝している。

私は何を目標にして生きるか,と問われたら,その答えは20の時に出してしまっている。
研究者として生きる道の幸せに,今回の幸せはカウントされない。
でも,それだからこそ,別の形の幸せを感じさせてくれたことに感謝するのである。