市場の倫理 統治の倫理

市場の倫理 統治の倫理 (日経ビジネス人文庫)
市場の倫理 統治の倫理 (日経ビジネス人文庫)」を読んだ。後輩Sに教えてもらって、読んでみた。
ぶちすごい*1

もう絶版になっているのか、Amazonマーケットプレイスで取り寄せて読んだのだけど、それだけの価値は絶対ある。名著だ。

小説風に書いてあるが、ここにかかれていることは社会学や社会心理学の理論であり、専門的に議論されるべきものだ。

私が今まで、このブログで日常、社会、学問、政治、学生のことどもに対して思うところあれば、それをつらつらと書いているけれども、そういった「思うところ」が生まれる不条理感の原因がどこにあったのかを、この本を読むと非常にすっきり理解できる。

この本が言っていることは、簡単にいうと、「社会は二つのルールで構成されている。両者は混じり合うと腐敗する。状況に応じてふさわしい方を意図的に選ぶよう学習(教育)されるべきである」ということである。二つのルール、というのが市場と統治、言い換えれば経済と政治のルールなのである。

ルールが二つであって、それ以上でも以下でもないことについても、明快な論拠が示されている。人はものを「取る」か「交換する」かによって生きているからであり、それ以外の方法がないからだ、というのだ。

そもそもこの本は、著者が十数年来書きためてきたルールを記したノートというのが元になっているらしい。ノートの取り方も書いてあるので、俺も一回やってみようかなぁ。

この本を読んだ、他のいろんな人の意見を聞いてみたいな。特にW氏と後輩Oにはお薦めします。

*1:とてもすごい、の意。山口弁を使ってみた。