数理心理学の展開WS

数理心理学のWSは、カテゴリー認知の問題。

しかし、これは話の冒頭から「?」がついていたのだ。
最近、私は物事を強制的に選択させる質問というのが気に入らないのである。
例えば「死ぬとしたら自殺?他殺?」と聞かれたとしよう。正答はもちろん「どっちも嫌だ、布団の上で幸せに死にたい」である。が、「自殺か他殺か、どちらかしかない」という意味のわからない条件をつけられると(往々にしてはっきりと条件付けられていることが明らかではない)、つい選んでしまいがちだが・・・。目覚ましTVのめざましドッチを見ていればよくわかりますね。

で、これがカテゴリー認知とどう関係するかというと。カテゴリー認知研究というのは、もちろん人がどうやってカテゴリー認知をしているかという研究である。つまり牛を見て「ほ乳類だ」、馬を見て「ほ乳類だ」、ハトをみて「鳥類だ」、コウモリを見て「ほ乳類だ」と分類する、というその分類ルールはどうやってできるのか、という研究である。

しかし、世の中には、それほどはっきり分類できないことが多いのではないか。はっきり分類できるともわかってないだろうし、その分類が必ずしも正しいかどうか・・・。文脈によっては「コウモリはトリみたいなもんだ」という分類で十分だろう。それが、この研究では、コウモリはほ乳類である、という正答が外在的におかれていて、それにいかに人が合わせるかという話なのである。ほ乳類/or notである。もっと中途半端な、「トリっぽい」という反応は許してくれないのだ。非人間的な話ではないですか。

と思いながら聞いていると、フロアからのつっこみも同じようなものだった。もっとダイナミックにモデルの前提を考え直すってことはできないか、というような。発表者にはあんまり伝わってなかったポイけど(笑)

究極的には、多入力多出力のモデルが必要なのだ。この「多出力」というやつがなかなかできてなくて・・・。
今後の理論・モデルの発展に期待、である。