時間はどこで生まれるのか

時間はどこで生まれるのか (集英社新書)

時間にかんする哲学が、最近の科学理論を反映してないという「ナルホド」な指摘から始まるこの本。すなわち、昔哲学=科学だったのだが、それが今や分離し、量子力学相対性理論などの最新物理学で明らかになっている事象が哲学に盛り込まれていない、特に時空に関する研究はずいぶん進んでいるというのに、一般的な時間概念はニュートンの頃のままじゃないか、というわけです。

マクダガードの時間に関するA,B,C系列の話を簡単に紹介し、同時に量子力学の奇妙さを紹介しながら、時間についての考察を与えており、比較的すんなりと受け入れられた感じ。ケチをつけるとするなら、社会時間についての考察がないかな、ってところぐらいで。時間が実数で空間が虚数とするミンコフスキー空間の考え方は、結構刺激的だったなぁ。