2010M-1評

最後のM-1が終わった。

最後だけに,テレビ側がなにかストーリーをつくろうとしているんじゃないか,といろいろ勘ぐられた大会だったろう。
笑い飯が最後の最後で獲ったほうが美しいのか,とらないほうが美味しいのか。
パンクブーブーが二連覇するのがドラマチックなのか。
期せずして,スリムクラブという大穴(俺は今日まで名前も聞いたことがなかった)が決勝二本目に進み,これがとったらそれはそれでドラマだ,という感じでもあって。

一本目の八組は,それぞれ実力,技術もあった。俺の採点では,パンクブーブー(敗者復活)が95,ジャルジャルが93,スリムクラブ,笑い飯,ハライチが90,ナイツ87,ピース・銀シャリ85,カナリア80でした。ジャルジャルはコントと思われたのか,少し評価が低く,二本目に進んだ三組は俺の評価と一致していたので良い。

で,二本目の評価だけど,スリムクラブが一番の出来だと思った。が,獲ったのは笑い飯だった。

松本人志が「最後ぐらい取らしてやろう」とおもっていれた,というのがショックだった。ちょっと大人の発想やん,それ。
大人の,というか,評価者としては正しくないと思う。その時の芸の出来を評価するのであって,これまでの経緯をもとにするのはずるいやん,と思う。

M-1が他のコンテンツや賞レースと違って良いところは,評価の感覚が視聴者のそれに近いこと。お年寄りまで幅広く笑えるように,というのではなく,10代,20代の若者に焦点化してあるところだった。ただ,一時的な人気に押されてしまうことのないように*1,審査員は今若者にウケてる人や漫才のことをよく分かっている人がなっていた。M-1のポイントは,視聴者が「審査員があの人なら」と納得出来るところだったのに。少し残念である。

まぁこれでM-1が終わるというから,最後やから,ちょっとぐらい,ええか。

もっとも,ラーメンのラ王が終わると入ってすぐ次の製品が出たように,M-1次のやつがすぐに出来るのでは,と思っている。興行的に儲かるものを,吉本が簡単に終わらせるはずがない。ただ,新しくできるタイトルに,まっちゃんはもちろん紳助も噛んでない可能性がある。そうなると,評価者のことが信用しにくくなる。

良いコンテンツだった。ありがとう。

来年,スリムクラブが何らかの形で花開くことをねがっている。あの風体では難しいだろうけど・・・(笑)

*1:一年目は若者の声を入れたので,人気表が入ってしまっておぎやはぎがありえない低得点になった。2年目から精度が改善された。この自浄作用もよかった。